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2024.08.17

オンコタイプDXって何?【多遺伝子アッセイの1つであるOncotypeDXを解説】


動画ナレーション全文

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00:00​ はじめに

 この動画では、オンコタイプDXについて、解説します。

00:12 対象となる早期乳がん

 オンコタイプDXは、ホルモン受容体陽性 HER2陰性で、転移リンパ節が3個以内の早期乳がん患者さんを対象にした検査です。
オンコタイプDXの話を始める前に、まず、ホルモン受容体陽性、HER2(ハーツー)陰性の早期乳がんの患者さんが、手術の後、どのような薬物治療を行うのか、どのように決定しているのかを、見ていきましょう。

00:50 術後薬物療法を決めるには?

 手術後には、乳がんの性状や、がん細胞の顔つき、乳がんの広がりなど、多くの情報を参考にして、追加する薬物治療を決めます。ホルモン療法のみ行うのか、それとも、化学療法も併せて行った方が良いのか、相談して決定されます。
 参考にする病理検査の詳しい内容は、BC Tube動画、『手術後の乳がん病理検査の見方、前編・後編』で解説していますので、ご参照ください。
 最近では、これまでの方法に加えて、多遺伝子アッセイが、治療を選択する上で有用であることが明らかとなってきました。

01:41 がんにおける多遺伝子アッセイ

 がん領域における多遺伝子アッセイは、がん組織を用いて複数の遺伝子の発現レベルを調べる検査です。これにより、患者さん一人一人のがん組織の性質を判断することができます。
 オンコタイプDXは、この多遺伝子アッセイの一つです。多遺伝子アッセイは、がんの性質を見るための検査で、遺伝性乳がんを調べる検査ではありません。

02:18 オンコタイプDX

 オンコタイプDXは、手術で得られた乳がん組織を使って検査を行います。乳がんにおいて重要な 21の遺伝子を解析し、再発スコアを算出します。そして、①乳がんの再発の可能性 と②手術後の化学療法の効果 を予測します。
 具体的には、ホルモン受容体陽性、HER2陰性の早期乳がん患者さんを対象に、ホルモン療法に加えて、化学療法を行った場合、どれだけの上乗せ効果があるかを判定します。

03:01 再発スコア結果

 オンコタイプDXの結果は、再発スコア結果として、0-100の数値で表されます。数値が高いほど再発リスクが高いとされます。この再発スコアを元に、低、中、高リスクに分類し、例えば、低リスクであれば、化学療法は追加しなくても良い、とする根拠に利用します。

03:31 意思決定のサポートに

 オンコタイプDXの結果は意思決定の一つの材料として使われます。オンコタイプDXの結果に加えて、病理結果で得られる情報や、患者さんの状態、希望などを、きちんと考慮した上で、ホルモン療法のみ行うのか、それとも、化学療法とホルモン療法を併せて行うか、選択されます。費用は、保険診療の範囲で検査を受けられる際は、3割負担の場合で、自己負担が約13万円です。
 オンコタイプDXだけで化学療法の必要性を完全に判定できるわけではありませんが、オンコタイプDXは意志決定の大きな手助けになると考えられます。

04:28 まとめ

 オンコタイプDXのまとめです。
オンコタイプDXは、多遺伝子アッセイの一つです。
がんの再発リスクを予測し、さらに、手術後の薬物療法の効果を予測することができます。
ただし、オンコタイプDXのみで、化学療法の必要性を完全に判定できるわけではありません。
病理結果や患者さんの状態とあわせ、総合的に判断し、手術後の治療を決定していきます。
以上、BC Tube でした。

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