授乳中の乳腺炎のケア
動画ナレーション全文
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目次
00:00 はじめに
本日は、授乳中の乳腺炎について次の疑問を通して、お答えします。
00:29 乳腺炎とは?
乳腺炎とは、乳腺に炎症が生じる病気です。
多くは、授乳期に発症し、産後4〜6週以内が最も起こりやすいです。
また、授乳期以外にも発症することはあります。
この動画では、特に「授乳期」の乳腺炎についてお話しします。

00:59 乳腺炎の症状は?
授乳中に、発熱、乳房のしこり、痛みがある、皮膚が赤くなる、熱を持つ、といった症状を感じた場合は乳腺炎である可能性があります。
一方で、これらの症状があるからといって、必ずしも乳腺炎とは限りません。

01:21 授乳中の乳腺炎の3段階とは?
乳腺炎には、うっ滞性乳腺炎、感染性乳腺炎、膿瘍形成といった、3つの段階があります。
授乳中の乳腺炎は、段階的に進行するので重症化させないことが大切です。
これら3段階について、順を追って説明します。

01:50 うっ滞性乳腺炎
1つ目の段階は、うっ滞性乳腺炎です。
うっ滞性乳腺炎は、乳管が詰まり、乳汁が溜まることよって起こります。
細菌感染を起こしている訳ではありませんが、乳房が赤く腫れたり、しこりや痛みなどの症状が見られます。
微熱が出ることもあります。
必ずしも全てが感染症に移行するわけではありませんが、うっ滞性乳腺炎の状態から細菌感染を起こすと感染性乳腺炎となります。

02:30 感染性乳腺炎
2つ目の段階は、感染性乳腺炎です。
うっ滞性乳腺炎が感染を起こすと感染性乳腺炎となり、膿が出るようになります。
うっ滞性乳腺炎の症状が、12〜24時間以内に改善されない場合や、乳房症状が強く、発熱、悪寒、体の痛みがある場合は、細菌感染を疑います。

03:04 膿瘍形成
3つ目の段階は、膿が溜まる、膿瘍形成です。
感染性乳腺炎が悪化すると、膿瘍、膿の塊が作られます。
乳腺炎による発熱から 72時間が経過している、しこりがブヨブヨしている、乳房全体にむくみがあるといった場合に、膿瘍形成を疑います。

03:36 受診のタイミングは?
このように、授乳中の乳腺炎は、段階的に進行していきます。
重症化させないことが重要です。
助産師によるケアやセルフケアで症状が改善しない場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。

03:59 乳腺炎の治療は?
次に、乳腺炎の治療についてです。
高熱や、強い痛みの症状がある場合、解熱鎮痛薬や、抗菌薬を服用します。
膿瘍がある場合、針を刺したり、切開を行い、膿を出す処置、排膿処置を行います。
そして、最も重要な治療手段は、授乳の継続です。
できるだけ頻繁に授乳を行い、乳腺炎のある乳房から始めましょう。
痛みが強い場合は、反対側から始めて、母乳の出が良くなってから切り替えます。
母乳の流れを促すために、つまっている部位に赤ちゃんの顎がくるような授乳姿勢をとってみましょう。
授乳中は、強い圧力をかけないようにします。
優しくマッサージを行うのも効果的です。
直接授乳が難しい時は、手や搾乳器で母乳を絞り出す方法もあります。

05:12 乳腺炎を予防するには?
では、乳腺炎を予防するにはどうしたらよいのでしょうか。
うっ滞性乳腺炎は、乳管が詰まることによって起きるので、継続して授乳を行うことで詰まりを予防できます。
授乳の間隔が空きすぎないようにしましょう。
左右交互に授乳を行うことや、赤ちゃんの抱きかたを変えて、まんべんなく飲んでもらうことも効果的です。
授乳してもしこり感が残る時は、搾乳してもよいでしょう。
助産師による乳房マッサージも効果的です。

05:58 まとめ
まとめです。
乳腺炎の多くは、乳腺炎の多くは授乳期に発症します。
授乳中の乳腺炎は、うっ滞性乳腺炎、感染性乳腺炎、膿瘍形成の3段階があります。
効果的な授乳や乳房マッサージで予防することができます。
最も重要なのは授乳の継続で、必要に応じて、抗菌薬の処方や排膿処置を行います。
以上、BC Tubeでした。
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