乳がん 〜女性の9人に1人がかかる〜
動画ナレーション全文
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目次
00:00 まさか自分が乳がんに
外来で患者さんと話をしていると「まさか自分が乳がんになると思わなかった」と皆さんおっしゃいます。周囲で乳がんになった話を聞いても、「自分は大丈夫」と思う方も多いと思います。そこで今回は、大切な人のために皆さんに知ってもらいたい「乳がんはとても身近な病気である」というお話です。
- 女性のがんで最も多いのは?
- 乳がんにかかるのは女性の何人に1人?
- どの年代に多いの?
- そして、早期発見のためにできることは?
それぞれ、一緒に見ていきましょう。
00:50 女性のがんで最も多いのは?
皆さんの周り、あるいは芸能人のニュースでも乳がんにかかったという話はよく耳にすると思います。そこで、からだの部位別のがん罹患数をみてみましょう。罹患数とは、年間で新たにがんにかかる人数です。乳がんは日本人女性のがんで最も多く、全体の20%を占めることがわかります。
こちらのグラフは1975年から2017年までの乳がん罹患者数、死亡者数の変化を表したものです。最近のデータでは、年間9万人が新たに乳がんにかかっています。グラフを見てわかるように、乳がんは年々増加傾向にあり、罹患者数がこの40年間で約10倍に増えています。
01:50 何人に1人?
このようにとても増えている乳がんですが、頻度としては、日本人女性の9人に1人が生涯の間に乳がんにかかります。とても身近な病気である、と言えるでしょう。また、男性も乳がんにかかることがあり、乳がん全体の100人に1人が男性です。パートナーや職場の人などが乳がんになることもあり、皆さんにとっても他人事ではない病気です。
02:24 どの年代に多いの?
次に、年代別に人口10万人あたり何人かかったかを示すグラフを見てみましょう。がん、というと高齢者の病気のようなイメージがあると思いますが、大腸、胃、肺がんは、高齢になるほど罹患率が高くなるのと比較して、日本人の乳がんは40代から60代に発症のピークがあるのが特徴です。特に40代から50代の働き盛り、子育て真っ最中の女性にも多く発症することが他のがんと大きく違う点です。
03:02 増えている原因
日本で乳がんが増え続けているのはなぜでしょうか?ライフスタイルの多様化、欧米化・女性の社会進出により、出産経験・授乳経験のない女性の増加、初産年齢の上昇、肥満の増加が生じ、これらが発症リスクとなり、乳がんが増加している、と考えられています。しかし、これらのリスクを自分で下げて乳がんにならないようにすることは難しいのが現状です。また、リスクにあてはまらなくても乳がんになることはあります。つまり、誰でもかかる可能性がある、ということです。
03:49 早期発見のためにできることは?
自分で防ぐことは難しい乳がんですが、早期発見・早期治療で約90%が治ります。では、早期発見のためにできることは何でしょうか?
まずは、定期的に乳がん検診を受けることが大切です。検診についてはBC Tube動画「検診マンモグラフィ」をご覧ください。
そして、日ごろから自分の乳房に関心をもつ、「ブレストアウェアネス」を心がけ、乳房セルフチェックを行いましょう。BC Tube動画「2分でできる 乳房セルフチェック」で、やり方を解説していますので、是非ご覧ください。
04:35 ポイント
今回のポイントです。
- 乳がんは、女性のがんで最も多く、増加傾向です。
- 生涯で日本人女性の9人に1人がかかり、40歳代~60歳代に発症のピークがあります。
- 早期発見のためには定期的な検診とセルフチェックを心がけてください。
以上、BC Tubeでした。