あなたの知らないピンクリボンの世界【乳腺科医が解説】
動画ナレーション全文
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目次
00:00 ピンクリボンとは?
10月になると、ピンクリボンに関するイベントをあちこちで見かけると思います。ピンクリボンは「ブレストアキャンサーウェアネス」の国際的なシンボルです。ピンクリボン運動の目指す世界を、皆さんはご存知ですか?
この動画では、あなたの知らないピンクリボンの世界をご紹介します。
00:31 Breast Cancer Awareness
まず、Breast Cancer Awarenessとは何でしょうか?
Breast Cancer Awarenessと似ている言葉に「Breast Awareness」があります。Breast Awarenessとは一人ひとりが自分の乳房の状態に日頃から関心を持ち、乳房を意識して生活する習慣です。セルフチェックや乳がん検診を受診することが含まれます。
それに対して、Breast Cancer Awarenessは、ブレストアウェアネスに加えて、正しい乳がんの知識を広め、社会全体で乳がんについて、認識することを意味します。ピンクリボンは、この「Breast Cancer Awareness」のシンボルであり、ピンクリボン運動はすなわち「乳がん啓発運動」です。
01:34 ピンクリボンの歴史
ピンクリボンの始まりは諸説ありますが、その一つをご紹介します。
カリフォルニア在住のシャーロット・ヘイリーは、姉妹、娘、そして孫娘が乳がんでした。1991年、シャーロットは自宅のダイニングルームで「ピーチ色のリボン」を手作りし、
「アメリカ国立癌研究所の年間予算18億ドルのうち、がん予防研究に使われるのはたった5%です。このリボンを身に着けて議員たちとアメリカの目を覚まそう」シャーロット・ヘイリー
というメッセージカードを添えて地元のスーパーマーケットで配り、また、ファーストレディーはじめ著名人に直接手紙を書いて送りました。シャーロットの作った何千もの「ピーチ色のリボン」によるメッセージは口コミで広がり、現在の世界的なピンクリボン運動へとつながったのです。
02:44 ピンクリボン運動の目的
毎年10月は「Breast Cancer Awareness Month」として世界中でピンクリボン運動、すなわち乳がん啓発運動が行われます。このキャンペーンには主に3つの目的があります。
- 乳がんの正しい知識を広めること
- 乳がん検診の受診をすすめること
- 研究のための寄付を集めること
アメリカでは、毎年10月に様々なキャンペーンにより多くの寄付が集まり乳がんの研究のために役立てられています。日本では、各地でピンクリボンウォークや講演会などのイベントは盛んに行われるようになってきましたが、研究のための寄付を集める活動はまだ少ないのが現状です。
03:47 乳がんになった人を社会で支える
また、ピンクリボン月間に皆さんに考えてほしいことがあります。乳がんにかかる人がとても多い現状で、乳がんになった人を優しく受け止め、社会で支えていくこともピンクリボン運動には大切です。もし乳がんが見つかったとしても、正しい情報が得られ、必要なサポートが受けられる社会を目指して、がんと共存していく人たちへの支え、についても思いを寄せられるピンクリボン運動にしていきましょう。
04:30 10月1日はピンクリボンデー
10月1日は「ピンクリボンデー」として世界各国でイルミネーションが行われます。ピンクリボン運動の目指す世界は、乳がん検診の啓発運動だけでなく、乳がんになった人を支えていく社会です。BC Tube編集部はこれからも乳がんの正しい知識を広め、乳がんになった人を支えていける社会を目指して活動をしていきます。
以上、BC Tubeでした。