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2024.08.17

【皮下注の抗HER2薬】トラスツズマブ・ペルツズマブ皮下注射合剤の登場CVポートって何?【皮下植込み型・中心静脈ポート】


動画ナレーション全文

サブタイトル冒頭の「00:00(数字の部分)」をクリックすると、本動画のその時間からご覧になれます。

00:00​ はじめに

 乳がんの最新情報をお届けするBC Tube NEWS
今回の話題はHER2陽性乳がんの方のための新しい皮下注射です。

00:19​ 今回の話題が関係あるサブタイプ

 今回の話題が関係のあるサブタイプは、HER2陽性乳がんです。
サブタイプについては詳しく解説した動画がありますので、こちらもご参照ください。

00:35 今回、新たに変わったことは?

 2023年11月にFeDeriCa試験という臨床研究の結果をもとに、ペルツズマブ・トラスツズマブ・ボルヒアルロニダーゼアルファ注、商品名フェスゴ®配合皮下注が日本で承認されました。フェスゴ配合皮下注は、従来から使われていた抗HER2薬のペルツズマブとトラスツズマブの合剤で、これまでと投与方法が異なる製剤が登場しました。
 ですので、使える対象はHER2陽性乳がんの患者さんで、ペルツズマブ・トラスツズマブの治療を受ける予定がある方です。大腸がんでも承認されています。

01:23 トラスツズマブ・ペルツズマブ・ボルヒアルロニダーゼアルファ注とは?

 フェスゴは、ペルツズマブとトラスツズマブを同時に投与できる製剤です。ペルツズマブ・トラスツズマブは、腕やCVポートから点滴で投与しましたが、フェスゴは太ももの皮下に注射をします。

01:42 この場合の従来の標準治療は?

 化学療法日の例を見てみましょう。
従来は、ペルツズマブおよびトラスツズマブをそれぞれ初回は60分・90分かけて投与します。2回目以降は最短30分まで短縮ができます。その後、化学療法があれば併用する薬剤が始まります。
 続いて、フェスゴの場合をみてます。フェスゴ配合注は、初回は8分、2回目以降は5分かけて投与します。その後、化学療法があれば併用する薬剤が始まります。皮下注射であること、ペルツズマブとトラスツズマブを同時に投与することができることから、大幅に投与時間を短縮することができます。

02:38 治療効果

 治療効果に関しては、フェスゴ配合注は、HER2陽性早期乳がんに対して、ペルツズマブ・トラスツズマブと同等の治療効果が示されています。

02:51 用法・用量

 用法・用量は、初回と2回目以降で量が異なりますが、3週間ごとに皮下注射をします。
投与量は体格によらず、一定です。

03:05 主な副作用

 フェスゴ配合注の副作用は、基本的にはペルツズマブとトラスツズマブと同じです。主な違いは、フェスゴ配合注では薬剤投与後に発熱や悪寒などの症状で起こるインフュージョンリアクションが少なかったこと、また腫れ、痛み、かゆみなどの注射部位の反応が多かったことが報告されています。

03:32 さいごに

 実際の適応については、ここで紹介した条件に加えて、個々の状況に応じて判断されます。
最終的には、担当医と相談して治療を決めましょう。

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