腫瘍マーカー(がんマーカー)って何?
動画ナレーション全文
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目次
00:00 はじめに
今回のBC Tubeでは、血液検査の結果でよく耳にする『腫瘍マーカー』について、皆様の疑問にお答えします。
- 腫瘍マーカーとは?
- 腫瘍マーカーは診断の助けになるの?
- 腫瘍マーカーで再発が分かる?
- 腫瘍マーカーで病勢が分かる?
今回は、こうした乳がんの腫瘍マーカーについてお話しします。
00:44 腫瘍マーカーとは?
腫瘍マーカーとは、がん細胞が血液や尿中に放出する物質を測定する検査方法です。
がんマーカーと呼ばれることもあります。
がん細胞は、血液や尿中に、そのがんに特徴的なタンパク質などを放出することがあるため、採取した血液や尿から様々な検査方法で腫瘍マーカーを測定します。一般に、測定値が高い方がその特徴的なタンパク質が多い、つまり、腫瘍量が多いとされます。
01:28 乳がんの腫瘍マーカー
乳がんでは、CEA、CA15-3などが知られており、いずれも血液検査で測定できます。
がんの種類によって、用いられる腫瘍マーカーは異なります。
このような『腫瘍マーカー』が乳がん診療で使用される場面は、主に3つあります。
- 検診・診断の場面
- 乳がん手術後の転移・再発がないかのフォローアップ中、
- 転移再発乳がんに対しての治療中
です。
それぞれの場面について、見ていきましょう。
02:17 場面①:乳がん検診、乳がんの診断
まずは、乳がんの検診や診断の場面についてです。
健診のオプションや人間ドックで、腫瘍マーカーが測定されることがありますが、乳がん検診での腫瘍マーカーの測定は推奨されていません。腫瘍マーカーだけで 乳がんを診断することは出来ません。
02:44 検査精度
その理由として、乳がんの腫瘍マーカーの検査の精度は、そこまで高いわけではないからです。
乳がんがあっても、その特定の物質が放出されるとは限らず、腫瘍マーカーが必ずしも上がるとは限りません。また、乳がんがなくても、その物質をがん以外が出している場合や、がんとは関係ない物質と反応して、腫瘍マーカーが上がることもあります。
例えば、最もよく知られている腫瘍マーカーとして、CEAがあります。CEAは、大腸がん、肺がん、乳がんなどの様々ながんで陽性になることがあります。しかし、腫瘍マーカーと言っても、慢性肝炎や糖尿病、長期喫煙者などでも陽性になることがあります。そのため、CEAが陽性であるからと言って、がんの診断ができるわけではありません。
04:05 場面②:乳がん手術後、フォローアップ中
次に、乳がん手術後のフォローアップ中の場面です。
再発が分かるキッカケとなることがあるため、手術後には、定期的に腫瘍マーカーを測定することがあります。しかし、乳がん術後の方に腫瘍マーカーを測定することへの有用性は示されておりません。
つまり、検査をすることで、生存率や生活の質が向上したり、精神的負担が軽減するかは分かっていません。そのため、腫瘍マーカーはあくまでも補助的な検査と言えます。
04:52 場面③:転移再発、治療中
最後に、転移・再発乳がんに対する 治療中の場面です。
治療効果に比例して、腫瘍マーカーが下がることがあります。そのため、治療の「効果判定」として用いられることがあります。
しかし、画像上、しこりが小さくなっているのに、腫瘍マーカーが下がらないことや、逆に、しこりは変わらないのに、腫瘍マーカーが下がる場合があります。
そのため、がんの病勢の変化やがんの治療効果は、腫瘍マーカーだけではなく、総合的に判断します。
05:37 まとめ
まとめです。
腫瘍マーカーの、乳がん検診での有用性は分かっていません。
再発診断や再発治療の場面で、腫瘍マーカーが用いられることがあります。
腫瘍マーカーは、あくまでも補助的な検査です。
画像診断と組み合わせて、総合的に判断します。
その数値に、一喜一憂しないようにしましょう。
以上、BC Tubeでした。