乳がんが転移していると言われたら【転移乳がんを解説】
動画ナレーション全文
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目次
00:00 はじめに
この動画では
- ①乳がんの転移について
- ②治療目標
- ③治療の流れ
また、耳慣れない言葉ではありますが、とても重要な
- ④shared decision making
という概念についてお話していきます。
00:26 乳がんの転移とは?
乳がんの転移とは、乳がん細胞が肺・肝臓・骨など乳房から離れた場所の臓器や全身のリンパ節に飛んで行き、そこで増えることをいいます。
00:52 乳がんの転移に対する治療やケア
乳がん転移に対する治療やケアには、がんを抑えるための治療として薬物療法、手術、放射線療法などが挙げられます。
支持療法や緩和ケアなどといった症状や副作用をやわらげるための治療も積極的に行われます。
不安などの「気持ちのつらさ」に対する心のケア、そして生活、仕事など患者さんを取り巻く環境に対する相談も行っています。
01:27 乳がんの転移の治療目標
遠隔転移がある場合、体からがんを完全に取り除くことは困難です。根治を目指すのではなく、「がんとうまく長くつきあう」ことを目指して治療を行います。がんがあっても、それが悪さをしないようにうまく抑えながら、共存していくことが目標になります。
この目標のためにできることはたくさんあります。
01:55 治療の流れ
まずはがんを抑えるための治療です。転移再発乳がんの治療はサブタイプや転移した臓器によって異なります。一番大切なことは担当医とよく話し合い自分に合った治療を選ぶことです。世の中にはまるで奇跡を起こせるかのように謳った民間療法、またはクリニックであっても効果の実証されていない治療法があります。何か気になる治療があった場合には担当医とよく話し合ってください。
乳がんの「薬物療法」は、体全体に薬を行きわたらせて、全身に広がったがんを抑える治療で、「全身治療」と呼ばれます。「手術」や「放射線治療」は、狙った部分のがんを強力に抑える治療で、「局所治療」と呼ばれます。転移性乳がんでは、原発巣から散らばっていったがん細胞を標的にするため、薬物療法が治療の中心となります。
また脳転移や 骨転移に対する放射線治療、症状を伴う腫瘍の切除など、症状緩和目的で局所治療を行うこともあります。
03:21 治療の選択
治療には 効果は高いけれど副作用の頻度も高いものや、効果は緩やかで副作用も穏やかなものなど様々な薬剤があります。病気の勢いや体調によってどの治療を選択するか、患者さんと担当医でよく相談しながら決めていきます。
03:45 ホルモン受容体陽性乳がんを例として
ホルモン受容体陽性乳がんを例にとって、より具体的に説明しますと病気の勢いが落ち着いているときは副作用の少ないホルモン療法などで治療を行い、病気の勢いがやや強い時には化学療法でがん細胞の勢いを抑えます。
症状がおちついてきたら、再度ホルモン療法など副作用の少ない薬でコントロールしていきます。
04:14 症状や副作用を和らげるための治療
支持療法はがんの治療に伴って発生する副作用に対して、Quality of lifeつまり患者さんの生活の質を維持するために行います。
緩和ケアとはがんによる心と身体の苦痛を和らげ、自分らしい生活を送れるようにするケアのことをいいます。緩和ケアと言われると、「もう他に出来ることがないから 緩和なのでは」と思われる患者さんが沢山います。緩和ケアとは、がんと診断された初期段階から治療中の苦痛を伴う症状をやわらげたり、不安や心のつらさをやわらげるなど、初期段階からがん治療と一緒に始めるケアのことをいいます。
05:02 乳がんと言われた時の心の反応
がんになると今まで経験したことのない焦燥感や不安感、落ち込みなどのつらい気持ちになることは 正常な反応です。代表的な米国の研究によれば、約半数ぐらいの方は何らかのケアが望まれる状態を経験されることが知られています。
進行がんであったりがんが再発したりすると、ケアが望まれる不安やうつ症状を経験される患者さんの割合はさらに高くなります。
がんや治療のストレスによって、気持ちのつらさが生じます。つらいことがあれば、一人で抱え込まずに、まわりの人や医療スタッフに相談してみましょう。医療機関では、「心のケア」を行う部署もあります。心療内科や精神科の受診もご検討ください。
05:56 医療機関でのサポート体制
治療費のこと、家族のこと、様々な不安があると思います。医療機関では、様々な職種のスタッフがあなたを支えます。
がん相談支援センターは全国の「がん診療連携拠点病院」や「小児がん拠点病院」「地域がん診療病院」に設置されている、がんに関する相談窓口です。治療のこと、社会や家族との関わり、ご本人や家族の心のこと、お金のことなど、どんなことでも無料で相談することが出来ます。
06:37 Shared decision making
治療法の決定には医師・患者さんのコミュニケーションが不可欠です。聞きたいこと、伝えたいことをメモするなども良いでしょう。自分が 何を大切にしているのかを担当医に伝え、治療目標を共有しましょう。
目標にあった治療を、納得して選びましょう。一つひとつの選択肢について、期待できる効果や予想される副作用を理解することが重要です。納得できるまで、担当医と話し合いましょう。治療開始後も、治療効果や副作用について、こまめに話し合って、治療継続の意義を確認しましょう。気になることがあれば、一人で抱え込まずに、医療者に伝えるようにしましょう。
07:32 病院以外でも頼りになる所
病院のスタッフや、相談支援センター以外にも患者さんと寄り添い、話を聞いてくれるところがあります。各地域にある患者会、暮らしの保健室、マギーズ東京などが その例です。
がんをゼロにできない、というのは、つらい事実かもしれませんが、がんがあること自体で、何かがダメになってしまうわけではありません。
7:48 まとめ
体の中にがんがあっても、「自分らしく生きる」ことは可能です。実際、多くの転移乳がんの患者さんが、がんとともに、自分らしく過ごしています。つらいことがあれば、まわりの人や、かかりつけの医療機関に頼りながら、がんと「うまく」「長く」つきあっていきましょう。