【男性乳がん】男性の乳房にしこりができたらどうする?【女性化乳房・男性乳癌を解説】
動画ナレーション全文
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目次
00:00 はじめに
乳がんは女性の病気と思われがちですが、男性であっても乳がんになることがあります。この動画では、次の疑問から、男性の乳房についてのお話しをします。
- 男性にも乳腺があるの?
- 男性にできる乳房のしこりは?
- 男性乳がんとは?
- 男性で乳房にしこりが触れたら、どうする?
それでは、これらの疑問を通して、皆さんに知っておいてもらいたい男性の乳房のことについて、お話しします。
00:43 男性にも乳腺があるの?
まず男性にも乳腺があるのでしょうか?その答えは、あります。男性も女性と同じように、胸の皮膚の下に、脂肪に包まれるように乳腺が存在し、乳房を構成しています。男性にも乳腺があるため、乳房にしこりができることもあります。
01:08 男性にできる代表的な乳房のしこりは?
男性の乳房にできるしこりは、主に、女性化乳房か、男性乳がんです。女性化乳房は、男性の乳腺が大きくなっている状態です。男性乳がんは、男性の乳腺の一部が、がん化してできます。男性の乳房にできるしこりの多くは女性化乳房ですが、男性乳がんは注意が必要な病気です。
女性化乳房と、男性乳がんについて、詳しく見てみましょう。
01:49 女性化乳房とは?
女性化乳房とは、男性の乳房が、女性の乳房のように膨らみ、乳輪の下にしこりとして触れることを指します。症状は、両側もしくは片側の、乳輪の下のしこりで、痛みを伴うこともあります。
02:11 女性化乳房の原因は?
原因としては、乳児期、思春期、50歳-60歳代の男性で、男性ホルモンと女性ホルモンの状態が一時的に不安定になることで自然な変化として女性化乳房になることもあります。自然な変化の他に、利尿薬・ステロイド・降圧薬などの薬の影響、肝硬変・慢性腎臓病・性腺機能低下など他の疾患の影響、特に原因がなくできることもあります。
02:55 男性も乳がんになるの?
男性にも乳腺があるため、男性も乳がんになることがあります。
遺伝性乳がん卵巣がんの場合、胸に放射線治療を受けたことがある方、何かの理由で体内の女性ホルモンが多い場合、男性乳がんのリスクが上がります。しかし、それらのリスクがあっても必ずなる訳でもなく、これらのリスク因子がなくても男性乳がんになることはあります。
03:30 男性乳がんとは?
男性乳がんとは、男性の乳腺組織に起こる”がん”です。あらゆる年齢の男性に発生しますが、発症者が多いのは、50歳-80歳代の男性です。
03:48 男性乳がんの頻度は?
それでは、男性はどのくらいの頻度で乳がんになるのでしょうか?
2017年の日本のデータでは、乳がんに罹患した男性はおよそ600名でした。これは女性乳がんのおよそ9.5万人と比べて少ないです。女性1000人の乳がん患者さんに対して、男性乳がんの方はおよそ5人-10人います。
04:21 どのように見つかるの?
では、男性の乳がんはどのように見つかるのでしょうか?
男性の乳がんは、乳房のしこり、乳頭のひきつれ、乳頭からの出血、皮膚のただれ、わきの下のしこりなどで、見つかることはありますが、多くは、乳房のしこりで見つかります。
04:44 どのような検査をするの?
では、男性の乳房のしこりが見つかったとき、どのような検査をするのでしょうか?
検査は、問診・視触診、マンモグラフィ、超音波検査を行い、これらの結果に応じて、さらなる精密検査を行うこともあります。
05:06 男性乳がんと診断されたら?
精密検査の結果、男性乳がんと診断されることがあります。男性乳がんに対する治療の流れは、基本的には女性乳がんとほぼ同じです。乳がんの病期に応じて、手術、放射線療法、薬物療法を組み合わせて治療します。病期(ステージ)ごとの乳がんの予後は、男性乳がんと女性乳がんで変わりはありませんが、男性乳がんの方が進んだ病期(ステージ) でみつかることが多いと言われています。そのため、男性であっても、乳房に異変を感じたら、乳腺科・外科のある医療機関に受診することが大切です。
05:58 まとめ
まとめです。
男性も乳がんになる可能性があります。男性の乳房のしこりは主に、女性化乳房か男性乳がんで、多くは女性化乳房です。しかし、男性乳がんは、女性乳がんと比べて、進んだ病期でみつかる傾向があります。男性でも乳房にしこりを触れたら、乳腺科・外科のあるクリニックや病院を受診しましょう。