【口内炎編】薬物療法の副作用、どうしたらいい?【乳がん大事典】
動画ナレーション全文
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目次
00:00 はじめに
乳がんの薬物療法の副作用には主に口内炎、消化器症状、疲労感や白血球の減少などがあり、お薬によって出やすいものと、そうでないものがあります。また、副作用が出やすい人と、出にくい人がいます。この動画では生活の質を左右する口内炎について説明していきます。
00:39 抗がん剤による口内炎発現時期の目安
口内炎は抗がん剤を投与した人のおよそ30-40%と高い頻度で起こります。抗がん剤投与後 数日から10日ごろに発生しやすく、通常2週間ほどで改善します。
01:00 口内炎はどうやってできるの?
では、口内炎はどの様にして出来るのでしょう。
口の中を見てみると、つるつるとした粘膜があり、その下には粘膜下組織があります。
抗がん剤が体の中に入ると、その作用により口腔粘膜の細胞が障害を受け、さらにフリーラジカルという細胞を傷つける物質が放出されます。
細胞障害が進んでくると、治療開始からおよそ7-12日で粘膜の表面が赤くなったのちに剥がれ、潰瘍になります。この時期に細菌が潰瘍面に侵入し、感染をおこすこともあります。
抗がん剤の投与から2-3週間で粘膜上皮は再生し、口内炎が改善してきます。
02:07 リスク(口内炎になりやすい方)
口の中の衛生状態が良くないことは、口腔内の細菌が発生しやすい状況を招き、口内炎のリスクになります。さらに年齢やステロイドの使用、糖尿病などは免疫機能の低下に関連し、口内炎を発症しやすい状態です。
02:34 対策はどうしたらいいの?
残念ながら、今のところ、抗がん剤によって起こる口の副作用を完全に防ぐ方法はありません。しかし、予防や早めに対処することで症状をコントロールすることができます。
重要なポイントはこの3つです。
①抗がん剤開始まえに歯科受診をすること
②医師に相談し、早めに対策をとること
そして、③ご自身でのセルフケアです。
03:14 歯科受診
抗がん剤の治療中には、体の免疫力が下がり、健康な時にはなかった歯茎やその下の骨に炎症が起こることがあります。
03:29 保湿ケア
また、抗がん剤の影響により、口が乾きやすくなります。潤いが不足していると、口の中の粘膜に傷がつきやすくなります。さらに、味が分かりにくくなったり、飲み込みづらくなったりすることもあります。口の中を保湿するためにこまめに水をのんだり、うがいをしましょう。保湿剤には医師から処方される保湿剤と市販の保湿剤があります。継続して使うために、自分の好みで選んでも良いでしょう。
04:13 その他の口の副作用のセルフケア
毎日、口の中を観察しましょう。口内炎が出来た時は、酸味の強いものや辛い物など刺激の強い食事は控えましょう。食事が取れない時にはゼリー飲料などの市販品を利用してもよいでしょう。出来立ての熱いものよりも、少し冷めたものの方が粘膜への刺激が少なくてすみます。タバコはやめましょう。
04:50 口の中を清潔に保つために ブラッシングの例
口内炎により口の中に痛みがある時期でも、口の中を清潔に保つことが重要です。歯磨きは研磨剤や発泡剤、清涼剤などを含まない刺激の少ないものにしましょう。歯磨き剤を使わずに水だけで磨いでもいいでしょう。
05:18 口の中を保湿するために うがいの例
定期的にうがいをすることによって、口の中を湿った状態に保ち、口内炎の症状が軽くなることが期待出来ます。痛みがひどいと食事が取れなくなり、栄養不足になることでさらに口内炎の治りが悪くなります。
05:30 痛みのケア
痛みがひどいときには、積極的に痛み止めを使用します。痛み止めは食事の30分から1時間ほど前に服用することで、食事中の痛みがやわらぎます。また最近では口腔粘膜保護剤やレーザー治療などを使用することもあります。使用にあたっては、歯科医師とよく相談してください。
06:12 ポイント
今回のポイントです。以上、BC Tubeでした。