【乳腺科外来のかかり方】問診・視触診って何のため?
動画ナレーション全文
サブタイトルの下の「00:00(数字の部分)」をクリックすると、本動画のその時間からご覧になれます。
目次
00:00 これから乳腺科を受診する方とご家族へ
今回は、これから乳腺科を受診する方やそのご家族のために役に立つ情報です。
- 問診のために確認・準備しておくと良いことは何でしょう?
- 視触診は何のためにしているの?
- 乳腺科を受診するのに適した服装ってどんなもの?
一緒に見ていきましょう。
00:27 乳腺科で行う診察・検査
乳腺科を初めて受診した際に行う主な診察・検査として、問診・視触診・マンモグラフィ・超音波検査があり、病変がみつかった場合は必要に応じて追加の検査を行います。この中の問診・視触診について、どのような診察なのか、何のために行うのか、そして受けるにあたってのポイントを詳しく解説していきます。
00:58 問診
病院で受付を済ませると、最初に問診票を渡されることが多いと思います。問診では診察の参考にするための質問に答えます。診察室に入室する前に問診表に記入し、さらに必要に応じて診察室で医師から直接質問されます。問診への答えによって、適切な検査を選ぶ手がかりとなり、より正確な診断が可能となります。乳腺科の問診で質問する項目について順番に説明していきます。
03:51 問診のポイント
まず乳がんのかかりやすさを判断するために必要な情報です。
- 初経年齢
- 妊娠・出産経験、初産年齢
- 授乳経験と期間
- 家族歴:血縁者の乳がん・卵巣がん、かかった年齢
- 血縁者のその他のがん、かかった年齢
- 乳房の病理検査と結果
- ホルモン補充療法(更年期)の使用と期間
これらは、乳がんにかかりやすいかどうか、つまり発症リスクについて評価するための情報です。
月経に関する質問は自覚症状との関連や良性病変の可能性、MRI検査のタイミングの判断、そして乳がんであった場合は治療法の選択に必要となります。閉経前の方には、最終月経日、月経周期と規則性、閉経後の方には、閉経年齢を確認します。
次に自覚症状についてです。自覚症状とはしこり、痛み、乳頭からの分泌など自分で気づいている乳房に関する症状のことです。悪性の可能性について判断したり、どれくらいのスピードでしこりが大きくなっているかを推定します。いつ気付いたか、気付いてからの変化、月経の周期に伴う変化、など症状の詳細を確認します。乳がん検診についての情報も悪性の可能性について判断するのに大切です。
これまでに受けた乳がん検診の時期と結果、検診の内容(マンモグラフィ検診かエコー検診か)、要精密検査になったことがあるかどうかとその結果について確認します。
既往歴としてこれまでにかかった病気、受けた手術、現在服用しているお薬、薬のアレルギーは今後の検査や治療の内容を決める際に参考にする項目になります。
これまで説明したように、問診ではさまざまな項目について質問されますので事前に必要な項目について確認、準備しておくことをおススメします。血縁者のがん、かかった年齢は詳細がわからなければ、家族・親戚に確認しておきましょう。これまでの乳がん検診の時期と結果、乳房の病理検査について整理し、検査結果があれば持参しましょう。最終月経と月経周期は確認してメモしておきましょう。これまでかかった病気、受けた手術について整理し、内服薬はお薬手帳があれば持参しましょう。
04:32視触診
次に視触診です。視触診は見て診察する視診と、手で触って診察する触診を同時に行います。上半身裸になってもらい、椅子にすわったまま、あるいはベッドに仰向けになってもらい行います。痛みを伴うことはほとんどありませんので安心してください。
まず、視診ですが、乳房の左右サイズの差・形の変化、突出したしこり、くぼみやひきつれ、むくみや赤み、乳頭の変形・へこみ、腫れ・ただれ・分泌物、があるかどうかを見て診察します。
次に触診です。乳房を直接手で触って診察します。まず、乳房全体をくまなく触り、しこりがあるかどうかを確認します。しこりがある場合、場所・大きさ・硬さ、しこりの境目がはっきりしているかどうか、よく動くかどうか、を詳しく触って調べます。
次に、乳頭をしぼって分泌がでるかどうかチェックし、分泌があれば、その色と乳頭孔の数を確認します。
最後にわきの下・鎖骨のまわりを触ってリンパ節を診察し、腫れている場合は数・場所・大きさ・硬さを確認します。
06:06 視触診は何のため?
視触診では、これまで説明したように様々な症状を直接診察することによって、悪性の可能性について判断したり、必要な検査を選びます。また、乳頭から分泌物があればその場でプレパラートに採取し、細胞診という顕微鏡の検査に出します。視触診は少し恥ずかしいと感じる方も多いと思いますが、診断のために必要な大切な検査です。
06:39 乳腺科の診察におすすめの服装
乳腺科の診察では、視触診だけではなく、マンモグラフィ検査、超音波検査などの検査も上半身裸になってもらい行います。何度も脱いだり着たりを繰り返す場合がありますので、上半身の脱ぎ着がしやすい服・下着で受診しましょう!上下がつながっていない、そして、ボタン、ホックが少ない服や下着がお勧めです。ワンピース、コルセット・補正下着、着物などを着ていくことは控えましょう。
07:16 メッセージ
今回のメッセージです。
- 問診のために必要な項目について事前に確認・準備をしましょう!
- 視触診は診断のための大切な検査です。
- そして、上半身の脱ぎ着がしやすい服装で受診しましょう!
の3点です。
以上、BC Tubeでした。