【エコー】乳房超音波検査ってどんな検査?【乳腺放射線科医が乳房エコー検査について分かりやすく解説:乳がん大事典】
動画ナレーション全文
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目次
00:00 はじめに
今回は私、乳腺放射線科医が乳房超音波検査について解説します。
乳房超音波、エコー検査に関する疑問、
- どのように検査するの?
- 超音波検査を受ける時に気をつけることは?
- 超音波検査でわかることは?
こんな疑問に答えます。
00:32 どのように検査するの?
超音波はエコーとも呼ばれる、人の耳では聞こえないほどの高い周波数の音を使った検査で、リアルタイムで評価することができます。マンモグラフィ、MRIと並んで、乳房の中の状態を知ることができる検査の一つになります。
00:57 乳房超音波ってどんな時に使うの?
乳房超音波検査は精密検査、経過をみる時、生検、乳がん検診など、様々な場面で用いられます。
精密検査ではしこりが触れた、乳頭から出血や分泌物があった時など症状があり、病院を受診した場合、マンモグラフィーと並び、まず行われる検査になります。また精密検査でしこりがあり、悪性が疑われる場合、あるいは良性か悪性か判断がつかない場合には、超音波で画像を見ながら針を刺すことがあります。その方法は3種類あり、細胞診、針生検、吸引組織生検です。
またおそらく良性の病変だけれどもサイズが大きくなっていないか、悪性を疑う所見が出ていないかを見る場合、また術後で経過を見る目的で使う場合があります。また日本では乳がん検診で超音波を使う場合も多く見受けられます。
乳がん検診に超音波を用いることで乳がん検診の大切な目的である乳がんで亡くなる人を減らせるかどうかと言う事は、現時点でははっきり分かっていません。そのため市区町村が行っている対策型検診では用いられていませんが、人間ドックや会社の健診では用いられています。
02:45 乳房超音波検査ってどうやって検査するの?
乳房超音波検査は、この絵のように上半身裸になっていただきますので、ワンピースを避け、 脱ぎ着しやすい服装でお越しください。
プローブにゼリーを塗って、プローブを皮膚の上で動かしながら乳房全体を見ていきます。痛くはありませんが、少しくすぐったい検査になります。
精密検査の場合は乳房だけでなく、わきの下や鎖骨の周りもみて、リンパ節がはれていないかどうかの評価をおこないます。ゼリーがつかないよう、髪の毛はまとめるか、上に持ち上げるといいでしょう。
03:58 超音波検査でしこりはどのように見えるの?
乳房超音波検査の画像になります。
プローブに接している1番上が皮膚、下の方が背中側になります。
このように脂肪は黒く乳腺は白く見えます。要所要所でこのような写真を撮り保存していきます。乳頭下は見えづらいため、少し時間がかかる場合があります。何か異常が見つかった場合は、その場で詳しく評価を行います。
超音波はしこりを写し出すのに優れており、大部分のしこりはこのように黒く写ります。しこりが見つかった場合、しこりの大きさや形、内部の性状に加え、しこりの血流や硬さを見る場合もあります。これらの情報をとることにより、しこりが良性か悪性か推測していきます。
04:35 「超音波検査=がん」ではない!
超音波では、しこりを含め、多彩な所見が見つかります。
嚢胞、線維線腫、乳腺症は、超音波でよくみつかる乳房の良性の所見ですが、半数以上の女性がこのような、乳がんとは関係のない変化を持っています。
一方で、症状のない方が、超音波で乳がんがみつかる確率は1%未満です。つまり、超音波の所見の大半が良性ですが、その中から、乳がんと関連した所見でないかを確認するために、特定の部位に時間をかけることもあります。超音波で詳しくみている、イコールがんではありませんので、検査中に心配しすぎないようにしてください。
05:28 まとめ
今回の動画のまとめです。
乳房超音波は、乳房の中の状態を知ることができる検査の1つです。乳房だけでなく、わきの下や鎖骨の周りなど、広い範囲を検査します。リアルタイムで良性なのか悪性なのかを推測します。
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