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乳がんの治療中
薬物療法の副作用
2023.08.01

乳がんの薬物療法、どんな副作用?【薬物療法の副作用:総論】


動画ナレーション全文

サブタイトル冒頭の「00:00(数字の部分)」をクリックすると、本動画のその時間からご覧になれます。

00:00​ 薬物療法の副作用はなぜ起こる?

 この動画では、薬物療法の副作用について説明していきます。

 化学療法や分子標的薬、ホルモン療法では血液の中に薬剤が入り、全身を巡ってがん細胞が増えるのを抑えたり、がん細胞を破壊します。しかし、がん細胞以外の正常な細胞にも影響し、さまざまな副作用を引き起こします。

 がんの治療薬に限らず、薬物には必ず副作用が存在します。薬剤によって出やすい症状や時期が異なったり、また患者さんによっても症状の強さが違うため、個々の対応が必要になります。

00:55​ 乳がんの薬物療法中に気を付けることは?

 医師から抗がん剤の提案をされた時、まず副作用のことが頭に浮かび、とても怖いと感じている方が多いのではないかと思います。

 この動画では、乳がんの治療で用いられる薬物療法の副作用についてご紹介したいと思います。患者さん本人が出来るセルフケアについては今後動画を配信予定です。

01:23 乳がん薬物療法の副作用

 乳がんの薬物療法では主に化学療法、つまり抗がん剤による副作用、ホルモン剤による副作用、分子標的薬による副作用があり、それぞれ出やすい副作用が異なります。この動画ではそれぞれについて説明していきます。

01:43 化学療法にはどんな副作用があるの?

 多くの化学療法はがん細胞の遺伝子を攻撃します。がん細胞は、細胞分裂が早く、増殖が盛んなため、この攻撃にさらされやすくなります。同じように、正常細胞でも、細胞分裂の早い細胞は抗がん剤の影響を受けやすくなってしまいます。そのため、細胞分裂の盛んな口の中の粘膜、頭皮などの毛根細胞、骨髄の血液をつくる造血細胞、胃や腸などの消化管粘膜などが副作用を起こしやすくなります。

02:25 化学療法による副作用発現時期の目安

 化学療法による副作用は、吐き気、口内炎など自覚症状のあるものや、白血球の低下など、自覚症状はないけれど検査でわかる副作用があり、出てくる時期にも特徴があります。

 どのお薬を使うかで、出てきやすい副作用を予想して予防やケアを行うことが重要です。

02:55 化学療法の支持療法

 支持療法とは、がんに伴う症状や、治療による副作用を少なくする目的で行われる治療のことです。痛みに対する鎮痛薬、吐き気や嘔吐などに対する吐き気どめ、白血球減少の予防としてG-CSF製剤などの投与が代表的な支持療法です。

 診察時にはどのような症状で困っているか担当医や薬剤師、看護師に相談できるよう、メモしたものを持参するのがおすすめです。

03:38 ホルモン療法の副作用

 ホルモン剤は、ホルモン受容体陽性乳がんの治療に用いられます。女性ホルモンであるエストロゲンを減少させる薬や、ホルモン受容体と結合させないようにする薬などがあります。

 治療によりホットフラッシュなどの更年期障害、中性脂肪の増加、血栓症、子宮内膜の増殖、関節痛、骨粗鬆症などが起こることがあります。ホルモン療法の副作用対策では、ストレッチや運動などのセルフケアが重要です。また、他の医療機関にかかってお薬をもらっている人は、飲み合わせの問題などがありますので、必ず主治医に申し出てください。

04:32 分子標的薬の副作用

 分子標的薬はがん細胞の特定の分子をターゲットにしています。そのため正常細胞を攻撃せずに副作用が少ないと考えられてきました。しかし、分子標的薬がターゲットにしている分子が特定の部位の正常細胞にも存在していることがあり、その細胞も攻撃してしまったり、ターゲット以外の分子も攻撃することがあります。分子標的薬は、がんのそれぞれ異なる分子を標的にしているため、分子ごとに治療薬が存在します。同じ分子をターゲットにしている薬剤でも、さらにいくつかの薬剤があり、また、その薬剤ごとに副作用が異なります。非常にたくさんの薬剤があって、化学療法のように共通した特徴がありません。気になる症状が出現した場合には、できる限りはやく医療従事者に相談していただくのがよいと思います。

05:41 副作用が出たときにはどうしたらいいの?

 がんに対する薬物治療を継続するためには、副作用をコントロールしていくことが必要です。

 対策としては大きく二つあります。支持療法は医療機関での副作用に対するお薬の処方やアドバイスです。セルフケアはご自身が日常的に対策できることを言います。どちらも副作用のコントロールをするのにとても重要です。ご自身で出来るセルフケアについては症状ごとに動画を公開する予定です。

06:20 ポイント

 この動画のポイントです。薬物療法による副作用には、薬物による違いや個人差があります。

支持療法やセルフケアは副作用の改善に役立ちます。気になる症状が出現した時は、早めに医療スタッフに相談しましょう。

以上、BC Tubeでした

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