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2023.07.20

遺伝カウンセリングまでに知っておいてほしいこと ~乳がん・卵巣がん編~【認定遺伝カウンセラー®コラボ動画】


動画ナレーション全文

サブタイトル冒頭の「00:00(数字の部分)」をクリックすると、本動画のその時間からご覧になれます。

00:00​ 遺伝カウンセリングまでに知っておいてほしいこと

 遺伝カウンセリングをすすめられた方向けの
 遺伝カウンセリングまでに 知っておいてほしいこと ~乳がん・卵巣がん編~

 乳腺外科外来など、乳癌の治療のなかで、主治医の先生などから遺伝カウンセリングを紹介されました。

 患者さんとしてはいくつかの疑問が出てくるかもしれません。

  • 遺伝カウンセリングとは?
  • 遺伝カウンセリングは受けた方が良いの?
  • 遺伝カウンセリングで何をするの?
  • 遺伝カウンセリングの前に何かしたほうが良いの?

 この動画では、これらについて遺伝カウンセリングまでに知っておいてほしいことをお伝えします。

00:58 遺伝カウンセリングとは

 遺伝カウンセリングでは、遺伝に関わる悩みや不安、疑問などを持たれている方々に、正確な医学的情報を分かりやすくお伝えし、その上で、十分にお話をうかがいながら、一緒に問題点を整理し解決策を探していけるよう心理面や社会面も含めた支援を行います。

 それでは遺伝カウンセリングではどういったことをするのでしょうか。

01:23 遺伝カウンセリングは受けた方がいいの?

 遺伝カウンセリングでは、主に3つのことにつなげられます。

  1. 遺伝カウンセリングの中で検査を受け、得られた遺伝情報はご本人の治療法の選択につながります。
  2. どのようながんになりやすいかなどを事前に知ることで、ご本人の二度目のがんを予防することにつながります。具体的には、予防的に乳房や卵巣を切除するなども選択肢として挙げられます。
  3. 血のつながったご家族の健康管理にもつなげることができます。遺伝情報はご本人やご家族の健康管理に活用することができます。

02:10 遺伝カウンセリングでお話する内容

 遺伝カウンセリングでは例えば、このような内容をお話します。

 内容はひとりひとり異なりますが、遺伝や遺伝性の病気、家族との関わり、遺伝子の検査についてお話することが多いです。

 遺伝カウンセリングでお話する内容の一部はBC Tubeでも紹介していますので、ご参照してください。

02:37 遺伝カウンセリングに来られる方

 遺伝カウンセリングはどなたでも来ていただけます。

 具体的には、遺伝や遺伝性の病気について知りたい方またはそのご家族、遺伝性のがん(HBOCなど)と診断されたまたは疑われた方やそのご家族が来られることが多いです。年齢や性別は関係なくどなたでも来ていただけます。お一人で来ていただくことも、身近な方と一緒に来ていただくこともできます。遺伝はご家族にも関係することなので、お一人で来られるかどなたかと一緒に来られるかも考えてみてください。

03:19 どんな人が関わるの?

 遺伝カウンセリングには、主治医をはじめ、産婦人科専門医などの対象疾患の専門家、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーなどの遺伝の専門家、医療ソーシャルワーカー、臨床心理士、その他医療従事者が関わります。それぞれの医療従事者が連携し、ご本人の病気や遺伝に関する心理・社会的支援を行います。

03:47 主な流れ

 主な遺伝カウンセリングの流れとしては、まず、ご本人やご家族に関する病気の情報をお聞きします。そして遺伝について気になることや聞きたいことを伺います。伺った情報をもとにご本人に合った情報をお伝えし、今後の対応を一緒に考えます。このように、ご本人から情報をお聞きし、遺伝に関する情報提供を行い、継続的なサポート体制につなげていきます。

04:25 ご家族のどんな情報が必要か?

 その際、ご本人やご家族に関する病気の情報について少なくとも3世代の情報を教えてください。そして、それぞれの正確な「病名」や「病気になった年齢」が重要となります。例えば、胃がんなのか?乳がんなのか?も重要な情報になります。ご家族の病気に関する情報は「その場ですぐに思い出せる」ものではありません。正確な情報を知るため、事前のご確認をお願いします。日頃からご家族全体の体調を確認し、情報を共有しておくことも大切です。

05:09 ご家族の情報(家系図)

 私たちは診療で、こちらに示すような「家系図」を用います。お聞きしたご家系の情報をもとに家系図を作成します。実際の診療ではこちらで示すよりも詳細に伺い、記載します。「家系図」はご本人から教えてもらった情報を整理して記号や文字であらわしたものです。性別によって記号を変えたり、病気の人に目印を付けたり、年齢や病名なども記載します。

05:44 ご家族の情報がどうして必要か?

 ご家族の情報がどうして必要かについてですが、情報を整理すると、どのくらい遺伝的背景があるか考える重要な情報になります。

 また、どんな遺伝性のがんが考えられるか、どんな検査が適しているか考えることができます。私たちはご家族の情報もふまえて、遺伝性の病気について様々なことを考えます。

06:12 遺伝カウンセリングの前にできることは?

 遺伝カウンセリングでひとりひとりに合ったお話をするために、まず、ご本人やご家族の病気に関する情報をあつめておいてください。また、気になること、聞きたいこと、今感じている「なに?」「どうして?」と思うことなどを整理しておいてください。そして、今まで医療機関で受けた説明内容やどう考えているかを整理しておいてください。「なに?」「どうして?」と感じていることを解消しながら、ご本人が納得できる選択肢を一緒に考えていきます。

06:48 まとめ

 最後に、まとめとして遺伝カウンセリングまでに知っておいてほしいことが4つあります。

  1. 遺伝カウンセリングでは、ご本人に合った遺伝の情報提供や心理・社会的支援も行います。
  2. ご本人やご家族の健康管理につなげられます。
  3. 遺伝カウンセリングでは、ご本人からの情報を整理し、継続的サポートにつなげていきます。
  4. ご本人やご家族など少なくとも3世代の情報および気になることなどを整理しておいてください。

 これらのことをあらかじめ知っておき、遺伝カウンセリングをうまく活用していきましょう。

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